※采配美大のみなさんが箱根を目指すことになりました。

 

 

 

 「わかった、三成が花の2区を走ると言うのなら私は1区を引き受けたい。
 藤堂も知っての通り私は不治の病を抱える身。
 箱根を走るのもこれが最初で最後になるやもしれぬ。
 私の望み、叶えてくれるな?」」

 

 コーチ兼監督兼マネージャー兼ランナーである高虎に向かい、吉継はいつになく力強く決意のほどを語る。

 

「それは(どうでも)いいが、スタート地点であるがゆえに最も注目を集めるプレッシャーの1区。
 誰も希望者がいなかったら俺が走るつもりでいたんだが...どうしてまた急に?」

 

 ふっ、と柔らかに微笑んで吉継はその問いに答える。

 

「三成に襷を渡すのは私でありたいのだ。」

 

「あんた...。」

 

「カモシカのように瑞々しい筋肉を纏った太腿。
 ユニフォーム越しに垣間見える胸の突起は寒さに尖って痛々しく私を誘う。
 襷を受け取るために高々と掲げた腕の付け根にうっすらと茂る秘密の花園。
 ゴールする私をいまかいまかと待ち詫びる三成。
 そして息も絶え絶えで倒れ込む私を、三成の逞しい腕が抱きとめる。
『吉継、俺、お前が必ず来てくれるって信じてた。』
『ありがとう、三成。
 私も君が待っていてくれると信じていたからこうしてゴールできたのだ。
 しかし私はここまでのようだ。
 行け、三成。
 私の屍を越えてゴールを目指すの...だ..。がくり。(絶息)』
『吉..継..?吉継!?よしつぐーぅぅぅ!!俺、本当はずっとお前のことが..』

 ...ってな、ふははは。
 おっといけない。想像するだけで勃★起してしまったよ。
 どうしようなぁ、今からこんな様では本番はどうなることやら。
 テレビ中継も入っているというのに大谷さんともあろうものがうっかり漏らしてしまいそうだなぁ
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 天下の嶮と歌われる箱根の山をも貫かんばかりの大谷の妄言に口から魂を飛ばす高虎であったが、目下の最大の問題点はタイム結果によってアンカーにすえた大福が本番では自分の身長よりも長い襷を銜えて20km強を走り抜けることができ得るのかということに、この時は未だ気づいてはいなかった--。

 

 

 

 それぞれの思惑入り交じる中、8人と1人格と1匹の箱根へのドリームランが今、スタートを切る。

(続きません)
 




  

  

 
   

     


ひょんなことから駅伝にはまり、大福は6区(復路の山下り)にして7区のたまきに襷をパス、
9区井伊から10区藤堂に繋ぐ流れに組み替えようかという果てしなくどうでも良いことを真剣に考えていた懐かしき日々