仰向けに寝かされて開いた足の間、ぺちゃぺちゃと性器を舐め回す音が羞恥心をかき立てて、ますます身体が熱くなる。
 膝裏に添えられた左近の手は軽く触れているだけでさっきから全く力は込められていない。
 逃げようと思えば逃げられるんだ。
 なのに、それどころか、俺は腰をいやらしく擦り付けてさらに愛撫をねだってしまう。
 左近のそれは本当に上手で、的確で、意地悪で、俺の弱いところを全部知っている。
 先端の穴を舌先を押し広げられながら、袋を揉み込まれて、そのうえ後孔の淵を爪先でなぞられたりなんかするともう駄目だ。
 何がなんだかわからなくなって、俺は溺れるような感覚に襲われる。

 
「...アァッ..もうッ..頼む..」
 

 ろくに言葉にならない声で訴えても、左近は片頬を釣り上げて微笑うだけ。
 今日はまだ許してくれる気はないんだ。
 軽く絶望して、けれど胸が悦びにさざめく。
 

「もう...もう..嫌」
 

 涙と熱で曇った視界で左近にねだる。
 

「どうしました?何がお嫌ですか?」
 

 わかっているくせに問い返してくる左近の唇は唾液と俺の出した汁で濡れている。
 左近は俺にいつも美しいだの、可愛いだのと戯れ言を言うけれど、こんな時の左近は全身から雄の匂いをさせてとても艶めいている。

  
「...もう、入れて..欲し..」
 

 告げた途端に羞恥と期待で体中からどっと汗が噴き出す。
 けれど左近はそんな俺を見下ろしたままで言った。
 

「駄目ですよ。ここ、こんなになってるじゃないですか。」
 

 肉の熱い指先が左近をひくついている俺の入り口に押し付けられる。
 触れられたそこは自分でも分かるくらいに熱をもってぽってりと腫れあがっている。
 

「ちょっとやりすぎちゃいましたからね。今は止めておいたほうがいい。」
 

 昨日の夜、正確に言うと昨日の夜から今日の朝方まで、俺のそこにはほとんどずっと左近を受入れっぱなしだったから。
 

「あれだけしたのに、まだ足り無いんですか?」
 

 俺は必死に首を縦に振る。
 当たり前だ。前を弄られるよりも、後ろをめちゃめちゃに掻き回されたい。そんな風に俺の身体を作り変えたのは左近、お前だろう。
 それなのに。
 

「出せなくなるまで絞って差し上げますから。
 ね、ほら、良い子にしていてくださいよ。」
 

 そう言って左近は前を握る指に力を込めた。
 

「ヒッ...!」
 

 突然の刺激に喉が鳴った。
 そのまま強く扱かれて、俺は耐えることを諦めた。
 

「イくときは教えてくださいね、殿。」
 自分でも止められないほど全身が震え出す。
 

「んっ..ぁ..イきそっ..」
 

 腹の奥までもがぶるぶると痙攣して。
 

「左近!...イくッ..も、出る!!」
 

 身体の芯を駆け抜けた熱が左近の手と俺の腹を盛大に汚して飛び散った。
 

「ふ...ぁ..。」
 

 真っ白に焼け付いた頭の中、俺はぼんやり考える。
 “良い子”にできたご褒美に次はどんな酷いことをしてもらえるんだろう、なんて。
 
  
 

 
 

 
 
 


 

 

   

  

 

  普通(?)のエロを書くリハビリ。現代でも1059でも、どっちでも。


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