The first day of the year2007
at
カフェ・ド・関ヶ原

 

 

「あけおめだ、大谷。」

 
「...あけおめ..兼続。」

 
「なんだその不満そうな顔は。新年から縁起の悪い。」

 
「すまん。その新年最初の客がお前かと思うとつい、な。」

 
「その正直さ、客商売に向かぬぞ大谷。」

 
「...ご注文は。」

 
「ブレンド。」

 
「慶次殿はどうした。」

 
「年越しまでは一緒だったんだが、前田家の新年の行事があるとかで帰省して行った。」

 
「金沢までか。」

 
「ああ、松風(単車)でひとっ飛びだそうだ。」

 
「そうか。」

 

 

 

 
「これから三成と左近のところにでも押し掛けるか。」

 
「いいや、奴らは二人して温泉旅行だそうだ。去年のこと※がよっぽど身にしみたのだろう。」

 
「学習したな..。」

 
「ああ。」

 
「あの娘はどうした。バイトの。」

 
「初芽なら千葉のネズミランドでカウントダウンパーティーなの
vだそうだ。
 というか、クリスマスのことがよほどショックらしくてあれ以来ろくにバイトも入らず遊び歩いている。」
 

「どれだけフリーなんだ、ここのシフトは。」

 
「まあほとぼりが冷めれば帰ってくるだろうが...幸村あたり捕まらんのか。」

 
「駄目だ。ゼミで年越しレポートのはずが教授に酔い潰されていた。携帯にかけても意味不明な言語が帰ってくるだけだ。」

「小西は。」

 
「聞くな。」

 
「そうだったな。」

 

 

 

 
「暇だな。」

 
「ああ、暇だ。」

 

 

 

 

 
「相も変わらずここのコーヒーは美味いな。」

 
「当然だ。今日のは特別に元旦限定カフェ・ド・関ヶ原新年ブレンドだからな。」

 
「せっかくのブレンドも味わうのは私だけか。」

 
「戯言無用。」

 

  

 

 

「....。」

 
「....。」

  

 

 

 

「...暇..だな。」

 
「...ああ...暇だ。」

  

 

 

 

 A Happy New Year!
May This Be The Best Year Yet.

 

  

 

 

 

※昨年のお正月、カフェ・ド・関ヶ原メンバーは大晦日から三成邸に押し掛け、勝手にカウントダウンパーティーを繰り広げたのでした

 

(することがないので)元旦から店を開けている大谷と、取り残された兼続。
不思議なコンビの平和なお正月。


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