「これを、殿に。」
ある閨でのこと。そう言って左近が懐から取り出しのは細工の美しい簪だった。
銀と珊瑚で花を象り、やや細身のそれは左近の無骨の手の中でしゃらしゃらと可憐な音を立てている。
「俺は女ではないぞ。そんなもの、お前の馴染みの遊女とやらにくれてやればいい。」
女のように扱われた事が気に触ったのか、三成はそれを見ようともせずぷい、とそっぽをむいてしまった。
「焼きもちをやかれているんですか、殿。」
苦笑しながら左近は三成の着物の襟に手をかけた。
「これは殿のために持って来たのです。
今すぐでなくとも良い。殿の方からこれを欲しがるようにして差し上げますよ。」
何を言っているのか分からない、といった顔の三成。気にする事なく左近は露になった首筋に口づけ、筋に沿ってねっとりと舌を這わす。
「んっ...。」
血管に近い薄い皮膚がぞくり、と粟立つ。
「すぐに、ね。」
耳のすぐ下の柔らかな肉を舌先で責めながら、百戦錬磨の軍師の顔で左近はにやりと笑んだ。
丹念に仕込まれた続けた身体は花の開くように快楽を享受する。
何度も口づけながら胸先の飾りを指で潰し、摘まみ上げ、ねじりあげて弄べば、凛とした態度は一気に氷解してしまう。
つくづく感じやすい身体になったものだ。最初の頃などは、いくらそこをいじってもくすぐったいと身をよじらせていただけだったのに。
「ほしいのですか、殿。」
三成から返答はない。顔を背けて、欲求を口に出して言う事ができずにいる。じんわりと全身を覆う快楽に抗うようにほんの少し残った理性がそれを阻んでいるのだ。
ただ、朱に染まった顔には明らかな期待がにじんでいる。
何事かを紡ごうと逡巡する唇。かすかに涙をたたえた瞳。問いの答はそれで十分だった。
「では、差し上げますね。」
はだけていた着物を完全に袖から抜き、帯を解いて真裸にすると左近は定位置である主人の足の間に身体を落ち着かせた。
「殿、今日は少し変わった趣向をいたしましょう。
どうぞ、目隠しをなさってください。」
そう言われるが早いか、有無を言わさず三成の視界は柔らかな手ぬぐいで覆われてしまった。
「さ..こん!」
視覚を奪われると途端に心細さが沸き上がる。三成は近くにいるはずの家臣の名を呼んだ。
「大丈夫です、殿。左近はここにおりますぞ。」
その分、触覚敏感になり、まだ半分ほどしか芯の通わない性器に左近の手が軽く触れるのが分かる。
続いて施される生暖かく湿った感触。
舌を這わされているのか。
考えただけで三成のそれは首をもたげ始めた。
「そろそろ、よいですかな。」
巧みな口淫によりほとんど完全に男根が立ち上がった頃左近は口を離した。
「ん...ぁ?」
この後、何をされるのだろう。
普段の左近なら、この後ゆっくり後ろもほぐしてあの大きなもので自分を満たしてくれて...。それが今の左近の行動は三成には見当もつかない。分からない分、期待と不安が高まって行く。
しゃらん、とどこかできいた音が身体の下の方から聞こえ、同時に性器の先端に冷たく触れる感覚があった。
「さこん?なに..を?」
「そのままじっとなさっていてくださいね。」
くぱ、と真っ赤に腫れた先端の孔が左近の指によって開かれる。そこからはすでに先走りがとろとろとながれ、しとどに濡れそぼっていた。
「これだけ濡れていれば痛みもありませんな。」
笑いを含んだ左近の声と共に、つ、と冷たい感覚が入ってくる。
先ほどの音。
これは、まさか。
「そんなっ、そんなもの入れたら駄目だっ。」
途端に暴れだそうとする三成の身体を左近のたくましい腕が押しとどめる。
「良い子ですから、おとなしく左近にお任せください。
動くと刺してしまうかもしれませんよ。」
「ぁっ..あっ..あっ!」
そうしている間にも簪の柄はどんどん三成の中を犯して行く。 実際にはほんの数ミリずつ、入れては止め、入れては止め、慣らしながら進めているのだが、今の三成は堪え難い感覚を味わっていた。何せ、元来液体以外は通した事の無い狭い管である。そこを細身とはいえ、硬い異物が逆流してくる。
少しでも柄が動く度に脳内をかき回されるような刺激が身体の中心からせり上がって来ては三成を甘く苦しめる。
はっ、はっ、と短呼吸で息を逃し、少しでも冷静さを取り戻そうとし、少しでも気を抜けばパニックになりそうな自分を三成は持てる理性を総動員して必死に押しとどめていた。
「いや..もう..いやっ。」
随分と濡れていたせいか、それはたいしたひっかかりをみせることもなく簪の柄は全て三成の中に収まっってしまった。
かたかたと身体を震わす三成の背を撫で擦ってやりながら、まるで幼子にするように左近は主人をなだめてやる。
「ほら、もう良いですよ。
ご自分でご覧になるといい。」
手ぬぐいの目隠しを取ってやると三成は自分の股間を見た。
そこには立ち上がったままの性器と、その頂点で揺れる銀の花。
余程左近が丁寧に施したのだろう、じっとしている分には痛みと呼べるものはほとんど無く、じんじんとした異物感と、簪の先端が性器の奥をくすぐる小さなうずきが感じられる。
我が事ながらその倒錯的な光景がまるで自分のものではないようで、三成はしばらくそこから目が離せなかった。
「殿のここが随分とかわいらしくなりましたね。
さあ、奇麗な殿をとっくりと愛でてさしあげましょう。」
いつものように左近の熱い高ぶりが体内を侵していく。
狭い内臓を押し広げられる感覚に全身が怖気起つが、何時の頃からかそれは決して不快なものではなくなっている。
三成を気遣うように、ゆっくりと慣らしながら最後まで挿入を果たし、左近はふ、っと息をついた。この締め付け具合。加えてこちらの動きに合わせて扇動する内壁。まさに男を饗するために作られた身体と言っても良い。
三成は美しい眉間に皺を寄せて、快楽をやり過ごそうと耐えているが、実のところ責められているのは左近の方なのだ。
「もう、動いてもよろしいか?」
獣の姿勢に這わせた主人に許しを請う。何よりこれ以上は左近の方が持たない。
精一杯首をひねり、左近を視界に捕らえると三成はゆっくりとうなずいた。
彼とて、入れられた瞬間の最初の絶頂を耐え抜き、次にくる刺激を待ちわびていたのだ。
「ぁひ..ひぃ!..さこ..ん!!」
最初は手加減をしていたつもりが、我を忘れるのにそれほどの時間はかからなかった。
強靭な腰のばねを生かし、左近は、三成の身体を持ち上げんばかりに突き倒す。
腰を掴まれ、嵐のように揺さぶられる度に三成の性器に刺さったままの銀の飾りが狂ったように鳴った。
左近は片手で三成の身体を支え腰を使い続けながらも手を三成の前に這わせた。
飾りの部分を掴み、それを小刻みに震わせてやる。
「やっ..ぁっ..くるしっ..いたい..。」
前の狭い粘膜を銀の柄がこそげるように動く。
「ヒぃッ..ひっ..ひ...っ!!]」
時には後ろの動きに合わせて柄に抜き差しを加えると、三成の内部がぎゅっと締まる。
「おか..しくっなるっ..ゆる..ゆるして..さこん!」
あたり構わず涙まじりにわめき散らされる悲鳴は左近の男としての加虐心に火をつけた。
「うっ..ぐっ!」
ほとんど三成の身体を宙に持ち上げるようにして、左近はその引き締まった熱い粘膜の中に精を放った。
「ぁあ...ぁっ..ぁ。」
体内に左近を受け入れ、褥に投げ出された三成は訪れるはずの放出ができず未だ快楽の絶頂に取り残されていた。
ぶるぶると身体を震わせ、うずくまってそれを耐える。
身体は絶えず快楽の爆発を感じているのに、出ない。出せない。
左近は半分、意識を飛ばしたようになっている三成を仰向けに寝かせるとその性器からゆっくりと簪を引き抜いた。敏感な粘膜を傷つけないように、慎重に。
「ぁは..やく!..はやく!!」
しかし左近の心遣いは今の三成にとっては新たな拷問でしかない。
「んっ..ァァ..。」
ようやく簪が性器から離れ、蓋をはずされて出口を見つけた体液がとろとろと流れ出てくる。
焦らしに焦らされたせいかそれはゆっくりと大量に、長い恍惚はいつまでも続いた。
「ばかさこんっ!怖かったんだからな!」
濡らした手ぬぐいで身体を清められながら三成は始終膨れっ面だった。
どこぞの女の使う道具で、散々喘がされて、好きなように泣かされて、それは少しは自分も気持ちよかったけど、少し、どころではないけれど、そういう問題ではないのだ。とにかくこれでは腹の虫がおさまらない。
「あの簪だって、もう使い物にならないだろう。
女にくれてやることが出来なくて残念だったな、左近。」
せめて一矢報いてやろうと嫌みたっぷりに言ってやるものの、当の左近は余裕顔だった。
「あの簪はそういう遊びの為に作らせたものなのですよ。
第一、いきなり本物でなんて試したら殿の可愛いここが避けてしまいますぞ。」
ちょん、とうなだれた性器を先をつついて左近が笑う。
「殿は、もう、してほしくはないのですか?」
「うっ..」
先ほどまでの快楽を思い出したのか、三成は顔を朱に染めたままそっぽを向いてしまった。
この正直さ。なんて可愛いんだろう。
それが本意ではないのに、ついついこの可愛い人を泣かせてしまう。
快楽に融けて流れ出す涙を見ていたいと思ってしまう。
次はどうやって泣かせてやろうか、三成の涙を拭ってやりながらも左近は思いを巡らすのであった。
みったん初めての尿道プレイ 左近のレパートリーは限り無く広そうだなぁ もうちょっとエロをエロく書く練習をしたいです
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