ねえ宗茂、よりによってなんで焼き肉なのかな。
 
 
あれ、元就公は肉嫌いでした?

嫌いじゃないけどさ、なんていうか、私にはヘビーすぎる気がするんだが。

もしかして元就公、焼肉屋に一緒に行く二人は肉体関係があるとかって信じてる派ですか?
俺なら構いませんよ。周りからそう見られても。むしろ大歓迎だな。

君はそういうとこホントに強引だよね。

飲み物何にします?俺はとりあえず生中で。

ウーロン茶。ピッチャーで頼んでね。

えー、ノリ悪いなぁ。お酒ダメですか?

うちは父と兄を深酒で亡くしてるからね。
呑めないわけじゃないけど、私は呑まないって決めているんだ。

...そうなんですか。
あ、すいませーん。生中とウーロンハイピッチャーで。

...君は人の話を聞いてるのかな。

肉は何にします?早く決めてくださいよ。

(聞いてない...。)

あ、飲み物来たみたいですよ。早いな。
うわっ。これビールもピッチャーになってる。ま、いっか。元就公かんぱーい。ハッピーバレンタインデー。

乾杯。
ていうか、これバレンタインって関係あるの?

いやぁ、やっぱり元就公からもらえるのかな、俺の方が用意したら逆チョコってやつになるのかな、なんていろいろ考えて気がついたら当日で。
結局何も用意してなかったんで、何もしないのも寂しいからご飯でも一緒にどうかって。
あ、すいませーん。オーダーお願いします。
シマチョウとタン塩、サムギョプサル・サンチュ無しで、あと上カルビとハチノス刺身。全部2人前でカルビだけ3人前。それとライス。大盛りにしてください。

見事に肉ばっかりだな。(そして人の話は聞いていない、か...)
君は見かけに寄らず、すごく食べるんだね。

ギン千代なんて俺の倍は食べますよ。
おかげでうちのエンゲル係数とんでもないことになってます。

今日はそのギン千代は?誘わなくて良かったの?

あいつは本多さんのところでチョコフォンデュパーティーですって。
気にしないでください。うち仮面夫婦だから。

あ、そう。

とりあえず肉焼きましょうか...って、うわっ、元就公なにやってんですか。そんなことしたらタレと塩が混ざるでしょ。それに網いっぱいに肉広げないでくださいよ、二人しかいないんだから。

 

 

そうなの?ていうか、こんなのにルールなんてあるんだ。

 

 

こんなのって...あなた..。
ちょっ、それまだ生ですよ。モツはよく焼いてください。カリッカリに焦げるくらいが美味いんです。
まったく仕方ないな。貴方は手ださないで。俺が焼きますから。

 

 

うん。それはありがたいんだけどね、私もそんなに若くないからあんまり脂っぽいのばかりだと胃にもたれるかな。

 

 

えー。そういうのは早く言ってくださいよ。
せっかく肉喰いに来てるのに空気読まない人だなぁ。
ま、そういうところがカワイイんですけどね
v

 

 

え、あぁ、ごめんね。(いつの間にか私が悪いみたいな流れに...?)

 

 

お!ギン千代やっと来たか。先に始めさせてもらったからな。
すいませーんお姉さん、彼女にも取り皿と生ビール・ピッチャー。それとライス特盛りで。

 

 

なんだ、ギン千代もちゃんと呼んでいたんだね。
本多さんのところはもういいんだ。

 

 

甘いもの食べた後って塩分で中和したくなりますからね。
肉どうする?足り無いだろ。好きなだけ追加してくれ。元就公のおごりだから遠慮しなくていい。

 

 

宗茂、いまなんて...?

 

 

えー、だって元就公、バレンタインって好きな人にチョコあげるんですよ、知らないんですか?
そりゃ俺もギン千代も元就公からのチョコが欲しいですけど、あなたみたいなおじいちゃんに一人でチョコ買いに行かせるのも酷だと思ってね、今年はこういう形で我慢します。
でも!来年は必ずチョコくださいよ!ギン千代とふたりして楽しみにしてますからね!

 

 

善処するよ...。

 

 

あ、すいませんお姉さん!霜降り上ロースと厚切りハラミ、レバーと野菜盛り合わせそれぞれ2人前。冷麺と石焼ビビンバもお願いします。今もってきちゃっていいですから。

 

 

...。

 

 

<ごちそうさまでした>